漫画家、戸部さんが道南取材
update 2003/5/30 11:58
自閉症児の成長とそれを見守る家族たちの姿を描いた漫画「光とともに…」の作者、戸部けいこさん(東京)が27日から29日まで、取材で自閉症児・者が通う函館市と上磯町の保育園や福祉施設などを訪問した。戸部さんは「手応え十分の3日間。いろいろなヒントをつかむことができ、大きな成果が得られた」と話していた。
戸部さんは兵庫県尼崎市生まれ。アシスタントを経てデビューし、2000年9月に女性向け漫画雑誌「フォアミセス」(秋田書店)で「光とともに…」の連載をスタート、人気を集めている。
同作品を描くきっかけになったのは、二男が通っていた保育園の卒園時の出来事。卒園アルバムには「大きくなったら何になる」という質問があり、皆がさまざまな夢を挙げる中、ある自閉症児の答えだけが空欄になっていた。
また、卒園式で園児一人ひとりが夢を語る時間があったが、その子だけは話すことができず、代わって母親が「明るく元気に働く大人になります」と答えた。
これらの場面を通じ、戸部さんは「どの親もが持っている、子供への“願い”を強く感じ、胸を打たれた」といい、自閉症児とその母親を中心にした物語の作品化を決意した。
今回は今後のストーリー展開に必要な「自閉症児たちの将来像」のモデル探しとして、取材に訪れた。足を運んだのは社会福祉法人・侑愛会の各施設や、道教大附属養護学校などの計6カ所。このうち、29日午前には上磯町の浜分保育園(佐々木若子園長)を訪れた。
園内で実際に自閉症児への保育の様子を目にし、佐々木園長へさまざまな質問を寄せた戸部さんは、この3日間を振り返り「自閉症の子供たちの将来像を描くのに必要な材料が得られた。今後の作品作りの中で、しっかりと役立てたい」と話していた。
同作品は同誌で連載中のほか、単行本は4巻まで発売されている。
提供 - 函館新聞社
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