井上市長定例記者会見

update 2003/5/29 09:20

 井上博司函館市長は28日の定例記者会見で、東アジアからのチャーター便中止など新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の影響について「非常に頭の痛い問題。函館観光への影響だけでなく、中国天津などとの国際交流も憂慮すべき事態になってきている」と強い懸念を示した。

 特に、4―6月に予定されていた台湾―函館間チャーター便の42便すべてがキャンセルされたことに対し、同市長は「全市的な打撃だが、特に宿泊の中心となる湯川温泉にも大変な影響が出る」と述べた。

 その一方で「市民の生命と財産を守ることが第一義であり、きちんと収まるまでは(チャーター便を)歓迎することはできない」と複雑な心境をのぞかせた。

 さらに、天津市への中学生海外派遣事業の行き先変更の検討を余儀なくされるなど、国際交流への影響を指摘。その上で「早く沈静化して秋以降には平常どおり観光客を迎えられるようになってほしい」と期待感を示した。

 また井上市長は、同市が北海道住宅供給公社(本社・札幌)に貸し付けた運転資金8億4000万円が期限を過ぎても返済されていない問題について「道から半年間の返済延期の意思表示があった」と説明した。

 その上で「市民の税金を貸しているわけだから、一部でうわさされる債権放棄などがあってはならない。延期して返済に努力してもらうが、仮に返されない場合は強硬手段を考える場面もある」と法的措置の可能性を示唆しながらも「そうならないよう道と公社は再建計画を立てると言っている」とした。 

提供 - 函館新聞社



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