ツチクジラ水揚げ順調

update 2003/5/29 09:19

 渡島半島沖日本海ツチクジラ操業が20日に始まって1週間、27日に待望の1頭目が函館港に水揚げされた。28日には2頭目が捕れ、関係者も一安心。2頭合わせた重さは14トンで、漁業者の間でおいしいといわれるステーキなら単純計算で約1万6000人分に当たる。2頭の肉は29日には市内の鮮魚店などに並ぶ予定で、今年も「懐かしの味」が食卓でも楽しめることになる。

 昨年の売上高は4600万円(8頭)で、1頭当たり580万円。函館市水産物地方卸売市場で1回目に2頭分、約2・4トンの肉が競られた。直前までミンククジラの在庫が残っていた影響などで、例年より2割ほど安く売られ、キロ当たり、「赤肉」は1頭目が2400円、2頭目が2600円、切り落とし部分の「こぎれ」はそれぞれ1350円、1700円だった。

 競り落とされた肉は、例年、市内の鮮魚店で「松前産・生鯨」などとして店頭に並び、多くの商売人や味を知る市民らが買い求めることになる。

 ツチクジラのいわゆる“肉”の部分は体重の約3割で、今回の2頭からおよそ4トンがとれる計算に。250グラムのステーキなら1万4000人分だ。漁業関係者の間では、ミンククジラよりは味が落ちるといわれるが、日本海側のツチクジラは太平洋側よりはおいしいとされ「ステーキなら抜群」ともいわれる。

 ツチクジラの捕獲は操業コストを抑えるため、認められている8頭をいかに早く捕るかがポイント。今年は水温が高めで「例年の魚場よりツチクジラが北にいたため、確認、捕獲に時間が掛かった」(操業者)が、関係者は連日の水揚げに胸をなで下ろしている。

 初水揚げでは、霧の中、船体の横にメスのツチクジラ(体長9メートル、重さ8トン)を抱えた第75幸栄丸(46・24トン)が入港。見物に来ていた市民からは「大きい」といった歓声が上がった。クレーンを使ってトレーラーに積み込み、市内の鯨体処理場で解体後、一部を市水産物卸売市場に運び込み、休場明けの29日の競りに備え冷蔵。28日には、この日捕れたオス(9・5メートル、6トン)も解体された。

提供 - 函館新聞社



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