「職業講話」の依頼増加
update 2003/5/28 12:23
函館公共職業安定所が各高校で実施している「職業講話」の依頼が増加している。職員らが高校を訪れ、就職活動を控えた生徒に働くことの意識を高めてもらう目的。同職安管内40校のうち、今年8月までに開催依頼があったのは18校。前年同期比で6校増加しているほか、昨年度全体の依頼件数にすでに並んだ。不況による高卒者の就職難や、高い離職率を受け、学校側も早めの対応に追われている。
職業講話は、主に3年生が対象。同安定所の指導官らが30―50分間講話をする。内容は▽就職活動に向けた心構え▽企業が希望する人材像▽高校生の厳しい就職状況―などで、就職を控えた生徒は働くことの意義や心構えなどを学ぶ。
同職安ではこのほか、電話応対や礼儀作法を学ぶマナー講座も実施している。同職安を介して、北海道労働局(札幌)が外部委託した講師を派遣している。
28日に3年生を対象に本年度初めてマナー講座を開く上磯高校は、8割が就職希望者だ。昨年度の内定実績は希望者の約4割の40人程度と厳しかった。同校は「厳しい現状を乗り越えるため、働く意識を早めに芽生えさせたい」と、依頼を決めたという。
また、同職安の職業講話に独自の厚みを加える学校もある。約20年前から利用している函館大妻高校では講話の後に、職安担当者とは別に事務や販売、福祉など職種ごとの専門講師を招き、分科会を開いている。「就職に関する基礎知識を一通り学んだ後に、職種に分けて開くのも効果的」(同校)という。
こうした現状に、同安定所の志村和信統括職業指導官は「9月以降、2年生を対象にした依頼も予想される。これも、厳しい就職戦線を背景にした各学校の対応策ではないか」と話している。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。