公園のいたずら相次ぐ

update 2003/5/22 10:12

 函館市内の公園施設がいたずらの被害に遭うケースが後を絶たない。昨年度はトイレの破壊や落書きなどが相次ぎ、被害件数は市で把握しているだけでも300件を超える。市民の税金で賄われる修繕費は昨年度535万円にも達し、市も抑制に頭を悩ませている。公園を管理する市住宅都市施設公社では、公園利用が増える夏場に向け、一層のモラル向上を呼びかけている。

 五稜郭、函館など大規模なものを除いた市内の公園は約250カ所。同公社では職員17人が市内を3区域に分けて毎日巡回に当たっているほか、一部の公園については町会に委託するなどして管理している。

 同公社花と緑の課によると、いたずらはトイレ内の便器の詰まり、器物破損、落書きが主に目立つという。「水まわりの蛇口を力任せに取り外すなど、修繕費の半数以上がトイレにかかわる。落書きは携帯電話の番号や、他人を中傷するような内容も目立つ」と話す。中には木製いすの上で火をたいたり、照明灯の電球を囲むガラスをモデルガンで撃って割るなど荒々しいケースも。このうち照明灯の修繕には約90万円を要したという。

 過去2年間の修繕費は2000年度670万円、01年度690万円。昨年度は額こそ減少したが「いたずらの件数はほとんど変わらない」という。同公社は本年度、修繕費として約500万円を計上。この額を超える場合は、業者に発注する際の積算額と落札価格の差額分を充てるといい、ここ数年のペースで推移した場合、本年度も予算オーバーは避けられない状況だ。

 限られた人数での巡回だけに、一日ですべての公園を網羅するのは困難。かつ、いたずらの多い公園は夜間の人通りが少ない場所といい、“現行犯”を目撃する場面は少ない。「昨年度は中学生がベンチを壊すのを警察が目撃したのが1件だけ。その時は園内のごみ清掃をしてもらったが、基本的には弁償してもらう」と強い態度を示している。

 各公園にはいたずらに加え、ごみの不法投棄や犬のふん処理を求める看板を状況に応じて設置しているが、その看板も落書きされる公園も見受けられる。同公社では子供たちが花火などで遊ぶ機会が増える夏場に向けて、「市民や町会関係者などの協力で相当助けられているが、いたずらにかかわる地域の実情把握は手に負えない部分もある。引き続きモラルの向上を訴えていきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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