道住宅公社への貸付金、8億4000万円返還まだ

update 2003/5/22 10:08

 函館市が昨年度、北海道住宅供給公社(本社・札幌)に運転資金として貸し付けた8億4000万円が、返済期日の今年3月末を過ぎても返済されていないことが21日、明らかになった。公社側は「資金繰りが悪化している」として、返済期日を9月末まで延期するよう求めているが、市側は02年度会計の出納整理期限となる今月末までの返済を求めており、同公社からの要求には応じていない。

 同日の市議会総務常任委員会(阿部善一委員長)で、工藤寿樹財務部長が明らかにした。

 市によると、同公社は1970年代後半から市内旭岡町で「旭岡団地」の開発に着手。市も同地で市営住宅を建設していたことなどもあり、2000年度から毎年、同公社に8億4000万円を貸し付け、年度末に返済を受けていた。

 しかし、同公社は今年3月末、昨年度貸し付けた分について、返済猶予を市に要請。これを受けて市は年度のかわった4月以降、再三文書で返済を促していたが、今月中旬の時点で、あらためて9月末までの猶予を要請されている。

 市は、本年度予算が市長選を控えての骨格編成となったことを考慮し、6月補正での貸し付けを検討していたが、「返済が完了されない限り、新たな貸し付けには応じられない」として、本年度の貸し付けには応じていない。

 同常任委で工藤部長は「公社に貸してはいるが、事実上は道に貸しているという思いが強い。道が管轄の市町村から借りた金を返せないというのはありえない話で、市民の税金が戻ってこないことがあってはならない」と述べた。

提供 - 函館新聞社



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