高松幸一さん快挙達成

update 2003/5/14 10:41

 【森】森町上台町の高松幸一さん(67)がこのほど、NHK学園生涯学習書道展(同学園主催)の写経部門で、全日本書写書道教育研究会賞を受賞した。高松さんは初出展した1998年に、全部門最高位の文部大臣奨励賞を受けたのを皮切りに、今年の受賞で同展の主要5つの賞をすべて獲得したことになる。抜きん出た集中力と書への尽きぬ情熱で達した快挙にも、「別の書道展に挑戦したい」と、さらなる意欲を燃やしている。

 高松さんは郵便局を定年退職した97年から、本格的に書道を始めた。特に「荘厳な書体に魅了されて」と写経に打ち込んでいる。東京の講師の元に足を運ぶなど精力的に取り組み、98年に般若心経262文字を紺紙に金文字で書き、見事出展4880点中頂点の文部大臣奨励賞を受けた。

 同展にはその後も毎年応募を続け、東京都知事賞、NHK賞、NHK学園賞と主要な賞を受けた。「いわゆる表彰台の賞」というタイトルは、残すところ全日本書写書道教育研究会賞となり、「密かに狙って」励んでいた。

 入賞した作品は、紺紙に銀文字で書いた「観音経」。中断すると集中力が鈍るため、一度筆を握ると数時間食事や電話も取らない。体重も減るほどの気迫で臨み、受賞の知らせを受けた時には「うれしいという気持ちと、心底ほっとした気持ちの両方だった」と顔をほころばせる。

 道具一式を置いた勉強部屋に寝泊りする毎日。「全神経を筆先に集中すると頭が真っ白になり、『これが無我の境地かな』と感じるよ」と高松さん。「これからも極めていきたい」と誓っている。

 なお、高松さんの作品は15日から20日まで、函館市内の丸井今井内で開かれる青氈社書展にも出品される。

提供 - 函館新聞社



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