02年水産加工品生産販売高、2年ぶり数量・金額とも前年上回る
update 2003/5/14 10:35
函館特産食品工業協同組合(石黒義男理事長)は、2002年の水産加工品生産販売高をまとめた。数量が前年比3・4%増の4万6671・2トン、金額が同2・5%増の469億79万5000円で、数量、金額とも2年ぶりに前年を上回った。製品単価の下落傾向に底打ち感がみられた一方、イカの原料価格高騰で、安価な原料による生産量増加や、イカ以外の製品への生産転化の動きも出ている。
製品単価の下落に伴う利益減少など厳しい経営環境を反映し、加工業者の廃業、倒産など淘汰(とうた)が続いており、調査集計企業は、前年比3社減の46社。
生産販売高の内訳を見ると、塩辛、乾燥珍味が中心のイカ製品は、数量が前年比1・2%増の3万2253・1トン。金額は1キロ当たりの製品平均単価が前年よりも16円減の983円で、前年比0・4%減の317億1910万円とほぼ横ばい。
デフレ経済の進行、流通分野からの商品の少量化要請などで利幅が減少傾向をたどる中、原料価格の安い「耳足製品」が数量で前年に比べ約2倍と大きく伸びた。
一方、生鮮珍味が主体のタコ・タラ・その他製品は、数量が前年比8・8%増の1万4418・1トン、金額は同9・3%増の151億8169万5000円で、総菜製品の人気を背景に好調。製品平均単価も前年比5円増の1053円と高値だった。
サケ、マス、ニシンなどその他の乾燥珍味が前年の8倍強の大幅な伸びで「利益率の高い製品にシフトしており、今後もその動きは加速するのでは」と同組合。
1キロ当たりの全製品平均単価はここ10年で約3割落ち込んでいるが、2001年が前年比68円減の1014円と落ち込んだのに対し、2002年は同9円減の1005円と下落幅が鈍化。同組合では「水産加工品の需要が拡大している状況ではないが、食品にかかわる事故、事件が相次いだことで、安価な製品に流れていた市場ニーズが変わってきている」と受け止めている。
提供 - 函館新聞社
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