衆院道8区補欠選挙で各党に波紋
update 2003/5/13 09:25
10月の衆院道8区補欠選挙に向け、地元有力経済人らによる保守系新人候補擁立の動きが表面化したことで、道南の政界関係者に波紋が広がっている。具体的な候補名が挙がっていない状況に、国政復帰を狙う自民党の佐藤孝行前衆院議員の陣営や、これまで同氏を推してきた自民党は困惑を隠しきれず、一方の民主党は「予測していた」と冷静さを装う。第3の候補出現は、選挙の構図を大きく塗り替えるだけに、週明けの12日には各党派の関係者が一斉に情報収集に奔走。鉢呂吉雄前衆院議員の知事選出馬による8区の政治決戦は、にわかに混迷の度を増してきた。
返り咲きに意欲をみせる佐藤氏の事務所は「関係者からの接触もなく、全く事実関係が分からない」と“寝耳に水”の様子。既に「補選に向けた準備を進めている」段階で、突然のライバル出現について、情報収集に駆け回るとともに、見えない敵へ警戒感を強めている。
自民党サイドは「補選についてどうするのか、具体的な話し合いにはなっていない」(党関係者)と困惑気味だ。しかし、佐藤氏は過去、小選挙区で民主党の鉢呂氏に2連敗しており、自民党関係者も「若い人にバトンタッチをという声が耳に入っている」と、新旧交代の流れを否定しない。
それだけに、経済界からの新人候補擁立は「自然な流れ」と受けとめる考えがあることも事実だ。地元経済界は、保守層にも支持を広げる「鉢呂代議士」の存在を認めてきた一面がある。鉢呂氏が出馬しない補選ではその足かせが無くなり、実際に新人擁立の動きを加速させることにつながった。
一方、民主党関係者は、新人候補擁立の動きを報じる函館新聞の記事(10日付)に目を通し、「いよいよ秒読みに入ったか」。淡々とした口調で語り、早速、次の手を打つための準備に入った。鉢呂氏が道知事選に出馬した時点から、第3の候補をある程度予想していたという。
民主党道南総支部幹部は「誰が出ようと基本的に変わらない」と、冷静なスタンス。補選には金田誠一衆院議員が比例代表からくら替えすることが濃厚だが、先決とされる鉢呂氏の処遇問題に議論の進展がみられず、対応が遅れている。ただ、保守系の新人候補模索の動きは、民主側の候補選考作業を早める要素となる可能性が大きい。
民主党道南総支部としての補選候補選定は、6月上旬の定期大会がタイムリミット。経済人らの保守系候補選考と時期がほぼ重なる。早ければ同月中にも候補予定者が出そろい、対決構図が鮮明になる可能性が出てきた。出馬を目指す金田氏が「厳しい戦いになる」と認める通り、一気に前哨戦が過熱しそうだ。
提供 - 函館新聞社
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