警察への貸金相談が急増

update 2003/5/4 10:08

 函館中央署に寄せられる、貸金がらみの相談が異常なペースで増加している。今年1月から4月28日までに、昨年1年間の3倍以上となる162件が寄せられた。内容は、身に覚えのない借金を電報やはがきで請求される「架空請求」など。本州の債権取り立て業者が行っているとみられ、借金の有無にかかわらず、不特定多数に対し送り付けている。同署管内では3月末から急増。「架空請求と分かったら郵便物などはすぐに捨て、記載の電話番号には絶対連絡を取らないこと」と、注意を呼びかけている。

 昨年1年間に同署へ寄せられた警察安全相談は707件で、うち51件(6・6%)が貸金がらみ。今年は先月28日までに311件を受け、うち52%に当たる162件が貸金がらみとなっている。時には一日で面接や電話が10件に上ることも。

 特に急増しているのが「架空請求」。金額を明記せず、債権を引き受けたなどとして、架空の取り立てをする内容だ。電報やはがきが送り付けられ、明記している携帯電話に連絡すると、5―100万円の請求をされるという。相談者は市内が約6割で、上磯や戸井、恵山が約3割。

 このほか、身に覚えのない貸金業者から、勝手に1―3万円を口座に入金される「押し貸し」、数十万を貸すとかたり、手数料などと称し2―3万円をだまし取る「保証金詐欺」などもある。

 いずれも本州の悪質な債権取り立て業者が介在しているとみられるが、現在のところ、実害はほとんどない様子。同署管内では先月24日、市内の保育園に金融業者とみられる男から誘拐まがいの電話があったほか、28日には高利の債権取り立て行為をした市内の暴力団員に、同署が中止命令を出すなどの事案が発生している。

 同署では「押し貸しされた金は手を付けずに返還するなどしてほしい。心配な場合はまず相談を」と話している。貸金がらみの相談は道警函館方面本部相談センター TEL♯9110。面接は各警察署で午前8時45分から午後5時半まで受け付けている。

提供 - 函館新聞社



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