市根井孝悦さんが写真集出版

update 2003/5/4 10:07

 函館在住の山岳写真家、市根井孝悦さん(64)がこのほど、写真集「カムイの山―北海道の名峰たち」(山と溪谷社)を出版した。利尻、知床、大雪など、北海道を代表する山を自らの足で登り、さまざまな角度で眺め、自然が織り成す美しい光景をとらえている。道内の全山域を作品集にまとめようと、この15年間取り組んできた「北海道の山三部作」も、今回の刊行をもって完結され、市根井さんは「苦労が多かっただけにうれしい。自分の人生にとって記念すべきこと」と充実感をにじませている。

 市根井さんは、函館生まれで、中学生のころから北海道の山に親しんできた。「北海道は島全体が夢多き宝の山。北海道の山には独特のロマンがある」との思いから「北海道の山をまとめてみたい」と決断。15年の撮影期間を費やし、00年に「大雪山―母なる大地」、01年に「日高山脈―遥かなる山並み」を刊行。今回は、大雪、日高山脈も含め、自身の印象に強く残っている50ほどの山を選んだ。

 尾根の残雪が迫力あるaウ別岳、ミヤマオダマキなどの花が群生する夕張岳、薄氷を張った大沼に全景を映す駒ケ岳…。それぞれの山の「一番いい時期」に撮影に臨み、84点の写真を収めている。

 空撮などは使わず、自らの足だけを頼りに探し求める自然風景。何週間にも及ぶ山での撮影活動では、ヒグマや雪崩との遭遇は珍しいことではなく、生命の危機を感じる緊迫した場面も経験した。市根井さん自身、過酷さゆえに「(突然の事故などで)三部作完成まで生きていられないのではと思っていた」という。

 「カムイの山」は、103ページ。定価3800円。三部作完成を記念し、9日から20日には札幌西武ロフト7階で写真展も開催。函館では、7月に丸井今井函館店で開かれる。

 市根井さんは函館白百合学園高校教諭として勤務する傍ら、1965年から写真を始めた。同校在職中に山岳部と写真部の顧問として、両部を高校総体山岳部門、全国高校写真選手権大会で優勝に導いている。97年に教職を辞めてからは、フリーカメラマンとして活動。写真集の発行は6冊目。

提供 - 函館新聞社



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