つつじ会の植栽1万本に
update 2003/5/3 13:13
函館山つつじ会(室田晴康会長)が1986年から函館山のつつじ山に植え続けているエゾヤマツツジが、11日の植栽(500本)で目標の1万本に到達する。初代会長で室田会長の父・松造さん(故人)の「山をツツジで真っ赤に染めたい」という思いから始まった小さなボランティア活動が、17年の歳月を経て結実しようとしている。
松造さんは戦後間もなく函館山展望台の管理人となり、86年までの38年間、函館山一筋の人生を歩んできた。退職を迎えた時に、季節ともなれば赤く染まっていた昔のつつじ山に思いをはせ、「あの時の姿に戻したい」と1000本のツツジを函館市に寄付し、家族や知人の手を借りて植え込んだ。
活動は翌年以降も続き、3年目の88年には1万本を植えようと同会を結成。90年には次男の晴康さんが後を継いで2代目となり、昨年までに9500本を植えてきた。
この17年で人の輪も確実に広がり、現在の会員数は400人。5年前からは大阪在住の函館出身者などで構成する「函館をおもう会」の参加もあり、毎年、150―160人が5月の植栽に携わっている。
その植栽も18回目の今年で目標の1万本に達するが、室田会長(48)は「物事にはけじめが大事。大掛かりに会員を集めてやるのはこれで最後」ときっぱり。11日は午前11時からセレモニー、写真撮影を行い、全員で500本の苗を植え込む。記念すべき1万本目は室田会長らが植えることになっている。「折り返しの5000本の時は1万本までは長いと思ったが、終わるとなれば短く感じる」と室田会長。
来年からは弟の浩三さん(47)に会長職を譲り、会の活動もこれまで植栽してきたツツジの保全、管理へ移行する。室田会長は「17年は植物にしては短い年月。30年、50年、100年という目で見なければならない。父の思いが代々伝わり、その中で山が真っ赤に染まってくれれば」と話している。
植栽への参加は自由。当日、午前11時までに直接つつじ山駐車場へ。雨天決行。問い合わせは室田会長TEL 55-1120.
提供 - 函館新聞社
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