景観形成指定建物の譲渡先探し苦戦
update 2003/5/1 12:03
函館市が昨年度からホームページ(HP)を使って取り組んでいる「景観形成指定建築物」の新たな譲り先探しが苦戦している。4月末現在で2件を紹介しているものの、土地価格や修繕費などの影響で、いまだ引き取り手は現れていないのが現状。市は現在探している物件について「今夏までがタイムリミット」との考えを示しており、引き続き市民に協力を求めている。
市は、市都市景観条例に基づく「都市景観形成地域」(函館山山麓地区、約120ヘクタール)のうち、現在48件を「景観形成指定建築物」に指定。このうち建物の老朽化や所有者の高齢化などにより、現所有者が「新たな所有者を見つけたい」として、市に協力を求めるケースが出てきたことを受け、所有者からの申し出に応じて昨年9月からHP上で譲渡を告知する「市民への協力要請」を掲載している。
現在、掲載しているのは「大幸機動興業所社屋」(弁天町15)と「和島家住宅」(弁天町16)の2件。昨年9月から掲載中の「大幸―」は、歴史的建築物の中でも数少ない大正時代の建築で、一部建築基準法による制限を受けるものの、建築時に近い外観の復元は十分可能。土地面積が約151平方メートル、建築面積も約137平方メートルと大きく、「住宅として使うには大規模」(市都市デザイン課)という。
今年3月末から掲載している「和島家―」も大正時代の建築で、上下和洋折衷形式の典型的な建物。土地面積は約90平方メートル。市によると「料亭として使いたいという打診があったが、所有者と金銭面で折り合わない状況だった」(同課)としている。
市では「所有者の事情もあるが、2件とも夏までは掲載したい。改修すれば十分利用可能なので協力をお願いしたい」とし、外観改修には600万円を限度とする助成制度のほか、新たな所有者には土地・建物取得の借入金に対する利子補給制度なども掲載して協力を呼びかけている。
HPのアドレスは
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提供 - 函館新聞社
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