新型肺炎の影響じわり
update 2003/4/26 10:16
中国や東南アジア、カナダなどで猛威を振るい続ける新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)が、函館市の各種施策に影響を及ぼすケースが相次いでいる。市では毎年度実施している「中学生海外派遣事業」の中止について検討に入ったほか、台湾からのチャーター便は25日までに5便がキャンセルとなるなど、世界的な感染拡大の波は函館にも押し寄せている。
人づくり・まちづくり事業の一環として実施4年目を迎える中学生海外派遣事業は本年度、ユジノサハリンスク市(ロシア)ウラジオストク市(同)天津市(中国)の3カ所を訪問する予定で、9月ごろから順次実施することになっている。
しかし、SARSについては感染経路や治療法がいまだに解明されておらず、市は今月中旬に関係部局内で同事業の中止を含めた対応を検討、5月中旬までに一定の方向性を示すことにしている。市企画部では「勉強のための派遣で感染させることがあってはならない。中国からロシアに感染が拡大する可能性もあり、今後も状況分析に当たる」としている。
台湾からのチャーター便運行は今月29日の第1便を最初に、5月末まで9便が予定されていたが、チャーター便を運行する中華航空は海外旅行自粛ムードの高まりなどを受け、今月29、30日と5月3、7、10日の5便の運航を急きょ中止した。これ以降の4便の運航も未定となっている。ユジノサハリンスクからの便は5月中に3便あるが、今のところ運航中止などの動きはない。
このほか、市が誘致に尽力している天津市(中国)との定期航路開設に向け、毎年秋に運行するチャーター便も運行困難な情勢となっており、市は5月末までに実施について結論を出す考え。
また、近郊の自治体では、七飯町が10月末に姉妹都市のコンコード町(米国マサチューセッツ州)に派遣を予定する中高生海外交流研修の実施の可否を検討している。
提供 - 函館新聞社
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