あすから「バーベキュー号&SL函館大沼号」運転開始
update 2003/4/25 09:47
JR北海道は26日から「大沼・流山温泉バーベキュー号」(函館―流山温泉)と「SL函館大沼号」(函館―森)の運転を開始する。3年目となる今年の運転期間は8月17日までの50日間に及ぶロングラン。大沼や駒ケ岳の絶景を眺めながら楽しいひと時を満喫できる。24日には報道機関や旅行代理店の関係者を対象にした試乗会が行われ、約25人が参加。のんびりと進む列車内での焼き肉やSLの力強い汽笛、その走りっぷりなど、それぞれの魅力を一足早く体感した。
「―バーベキュー号」とSLは、今年も函館発から行きと帰りで乗り分けが可能。この日はまず、午前11時35分、JR函館駅発の「バーベキュー号」から乗車した。
五稜郭車両所で貨物列車を改造したという車体には、イカやヒラメなどをあしらったレリーフが張られ、側面中央から天井の高さギリギリにまで広げた窓枠が、パノラマ感を増幅させる。4人が座れる1ボックスのいすとテーブルは全て板張りで、ムード作りにも配慮されている。
テーブルそれぞれにホットプレートを装備し、函館駅を出た途端、あちこちから肉を焼く「ジューッ」という音や歓声が起こる。風に吹かれてこちらに来る煙を目に受けたり、緑豊かに生い茂る湖畔に見とれながらアツアツの焼き肉に舌鼓。肉や野菜、飲み物などのセットコースもあるが、持ち込みも可能(JR北海道)という。
午後1時25分に大沼公園駅で下車。森方向から来る同2時35分発の「函館大沼号」を待つ間は、JRが用意した3輪式バイク(2台)とホロ付きの軽四自動車(3台)=ともに無料=で大沼湖畔の探索ができる。
同駅に到着した大沼号は、旧瀬棚線で1972年まで活躍した蒸気機関車「C11型」で、その勇姿は走る前から力強さを感じさせる。この日の客車は昭和初期の旧型車両(4―5月)。「3等客室」と書かれた重いドアを引けば、板張りの床に置かれたダルマストーブが目を引く。
明治時代洋風建築風に装飾されたカフェカーでは、大沼だんごなどの地元特産品やSLオリジナルグッズが販売され、道南観光や戊辰戦争の説明パネルも展示。また、モダンなドレスを着た女性乗務員が車窓からの景色について丁寧にガイドしてくれる。
出発するや石炭独特のすすのにおいが車内を包む。蒸気機関車特有の揺れとゆっくりした走行感、加えて車内に流れるモダンミュージックに、いやが上にも旅情は高まる。大きくカーブするたびに車窓から見える先頭機関車はまさに感動の光景だ。
6、7月の8日間は。機関車2両の重連運転を行う。「乗っているだけでも、見ているだけでも楽しい企画」というJR北海道の説明にも、素直にうなずける貴重な体験だった。
提供 - 函館新聞社
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