「ピアマーケット」テナント探しに苦戦

update 2003/4/18 11:07

 市青函連絡船記念館「摩周丸」が19日にリニューアルオープンするが、隣接する商業施設「ピアマーケット」は一部を除き空き状態のままで、新たな入居テナントなど活用策は決まっていない。所有するJR北海道が検討を続けているものの、大規模施設だけに活用が難しく、今後の方向性は「白紙の状態」(開発事業本部)。かつては摩周丸への集客効果も狙った商業施設は、摩周丸の“再出航”をバックアップできない状態となっている。

 同施設は、函館港若松ふ頭の再開発事業として、摩周丸とともに1990年にオープン。市やJR北海道、地元企業などが出資する第3セクター「函館シーポートプラザ」の運営で、当初は物販、レストランなど23店が入居していた。

 しかし、立地条件の悪さや不況の影響で、経営不振によるテナント撤退が相次いだ。3セクも債務超過に陥り、96年にJR北海道が買い取った。

 ただ、その後も施設内のテナントが完全に埋まることはなく、昨年9月末には地ビール製造、販売の「函館麦酒工房」が直営レストラン「ビロングス」を閉店。最後まで営業していた店舗も2月初めに撤退し、現在は地ビールの工場を残すのみ。JR北海道は昨年秋に外観の塗装工事を実施したが、内部はガランとして寂れた雰囲気が漂っている。

 JR北海道では「商業施設以外の活用も含め検討しているが、全く見通しが立っていない」と説明。昨年秋に、地元企業がオープンオフィスとしての活用を提案した経過もあるが「具体的な検討はしていない」と話す。

 同施設は3階建て延べ5300平方メートルと大規模なスペース。問い合わせはあるものの「景気低迷の中、活用先を確保するのは容易ではない」(関係者)。連動した施設が空き状態のままでは、摩周丸の運営にもマイナスで、市は「出来るだけ早い時期に活用され、人が集まる雰囲気をつくらなければ」と行方を見守っている。

 17日に開かれた旧青函連絡船「摩周丸」保存活用懇談会では、中間報告として、ガラス張りで作業工程を見ることができる工房、飲食系チャレンジショップなど「市民、観光客が集まる施設として活用する」との意見が報告された。

提供 - 函館新聞社



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