佐藤政五郎さんが電気パン焼き器“再現”
update 2003/4/7 11:24
函館市柏木町10のかすみ園社長、佐藤政五郎さん(77)がこのほど、終戦直後に使用したという電気パン焼き器を“再現”した。戦中、戦後の食糧難の時代、穀物の粉を生地に、電気を流してパンを作ったもので、昔懐かしい味が知人らにも評判だ。
佐藤さんによると、電気パン焼き器は第2次世界大戦中から終戦直前にかけて、一般の家庭で使われた。木製の長方形の枠の内側に2枚の金属板を張り付け、この中にトウモロコシの粉や塩などを混ぜた生地を入れ、通電させるとパンが出来上がる。
戦後、佐藤さんも実際に製作し、1945年から2、3年ほど使用していた。そのころは、米軍からの食料支援で得た大豆の粉末や、雑穀を干したものなどを材料に、当時、代用食と呼ばれたパンを作って食べていたという。
当時を思い出し、3月中旬に製作。家にあった昔の書籍を参考に、ブリキの板を切り、木枠は大工に製作を依頼。縦13・5センチ、横23・5センチの大きさで、100ボルトのコンセントを付けて完成させた。
3月中の1回目の使用の際は、生地の塩加減で失敗したものの、2、3回目は30分から1時間ほどで完成し、大成功。小麦粉やベーキングパウダー、レーズンなど材料は当時よりも豪勢になったが、作り方は当時そのまま。当時を知る、佐藤さんの知人たちからも「懐かしい」と評判だった。
佐藤さんの2人の孫も一緒にパン作りを行い、不思議そうに見ていたという。「味よりも腹に入れば良かった時代、あの当時の思い出がよみがえりました。最初に考えた人は、よく思い付いたものだと感心しましたよ」と、佐藤さんは話している。
提供 - 函館新聞社
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