函館山のふもとにも春到着

update 2003/4/4 11:17

 暦替わりに合わせるように、函館の最高気温は連日10度を超え、市内はうららかな春模様に包まれている。中腹にまだ雪が残る函館山でも、ふもとでは春を告げる花々が開き始め、山人の目を楽しませている。

 函館山の植物は約600種で、このうち約7割は本州の種類とされている。戦時中は軍の要塞(ようさい)として一般の出入りが禁止されていたため、今日まで、ありのままの自然が残されている。

 市街地に比べ山の春は遅いが、3月下旬にフキノトウが雪を割ると一気に季節が移る。ネコノメソウが姿を見せ、フクジュソウやナニワズが咲き―。さらに、ここ数日の陽気でキクザキイチゲ、キバナノアマナなども花を開き始めた。

 キクザキイチゲは「菊咲一華」とするように一輪咲きの清そな白花。春の訪れを目で確認できることから、登山者に愛されており、山のあいさつも「イチゲ咲いてましたよ」に変わる。

 キバナノアマナはユリ科の多年草。草丈は15―20センチで、花の直径は約2センチ。咲き始めのかれんな姿から、キクザキイチゲとともに、函館山の春を告げる花として定着している。

 好天に恵まれた3日も、登山道には散策する市民が次々と。足元に咲く白や黄色の小花を見つけては立ち止まり、「山にも春が来たのね」と心を和ませていた。

 山の春はこれからが本番。エゾエンゴサク、ニリンソウ、シラネアオイなどが開花時期を迎え、日を追うごとに山道は華やいでいく。

提供 - 函館新聞社



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