中心市街地カルテまとまる

update 2003/4/2 10:57

 函館市は1日までに、駅前・大門地区の中心市街地カルテを作成した。空き地は22カ所で市電路線を挟んだ北側に多いことや、夜間営業の飲食店跡が空き店舗の8割を占めるなど、市街地全体、街区ごとの実態が明らかになった。市では今回の調査結果を基礎資料に、空き地や空き店舗のスムーズな有効活用など中心市街地活性化事業を展開していく。

 調査は、「はこだてティーエムオー」が市から委託を受け、昨年7月から12月にかけて実施。対象区域は松風町のすべてと、若松、大手、東雲、大森各町の一部(朝市エリアは除く)の48ヘクタール。昨年12月1日現在の実態でまとめた。

 調査結果によると、業種別の営業店舗は、飲食店が417件と最も多く、このうちバー、スナック、居酒屋などの夜間営業が全体の73%。次いで物販店180件、事務所174件、サービス134件と続き、はこだてティーエムオーでは「今後は、スーパーや家族連れ向けのレストラン、宴会場などの展開が必要」と受け止めている。

 駐車場は179カ所。このうち、時間貸しは国道278号を挟んで南側に多く、22カ所の総収容台数は1524台となっている。月決めは国道を挟んで北側に多く、89カ所の合計1271台で、月額料金は8000―1万6000円。ここ1―2年の間に更地となった場所が利用されているケースが多い。

 一方、空き地は22カ所で計5852平方メートル。500平方メートルを超える空き地は3カ所で、旧さいかデパート跡地が最も大きい面積となっている。

 また、空き店舗数は、テナントビルの空き区画を1店舗とした調査方法では323カ所(空き店舗を持つ建物は152棟)で、空き店舗率は29・8%。このうち、空き店舗になる以前の利用は、夜間営業の飲食店が約8割を占めており、本町・五稜郭地区に飲食店街が形成され、夜間のにぎわいが移ったまちの変遷もうかがえる。

 ただ、今回の調査結果をまとめた後も、チャレンジショップ大門屋からの独立による出店、居酒屋や物販店など出店、高齢者向け施設の建設など、空き店舗、空き地に動きが出ている。

 市やはこだてティーエムオーでは「カルテを有効活用し、中心市街地の活性化につなげたい」としている。

提供 - 函館新聞社



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