２被告に無罪判決

update 2003/3/19 10:37

　９年前、函館市内の住宅兼事務所に放火し、火災保険などをだまし取ったとして、非現住建造物等放火と詐欺の罪に問われた、函館市堀川町２０、金融業、福原八重子被告（６２）、市内美原１、通信機器販売業、大竹寿一被告（４６）の判決公判が１８日、函館地裁（成川洋司裁判長）で開かれた。成川裁判長は「福原被告については何者かに放火の実行を依頼したことが強く推認されるが、大竹被告が実行犯である証拠はない。よって実行した犯罪の証明がない」とし、福原被告（求刑・懲役７年）と大竹被告（同・懲役５年）に無罪を言い渡した。

　両被告は共謀し、１９９４年１１月１０日午前４時ごろ、福原被告の住宅兼事務所に灯油をまいて放火。約６２平方メートルを焼き、火災保険と同共済の計２８００万円をだましとったとして起訴された。

　判決で成川裁判長は福原被告について「早急に借金返済のための資金を必要としていたなど、動機と成り得る事情があり、火災によって多大な利益を得た。放火の首謀者として強く推認される」と指摘した。

　しかし、大竹被告については「実行犯であると認められる証拠がない」と述べ、「大竹被告と放火を実行したという証明がない以上、福原被告についても無罪の言い渡しをせざるを得ない。詐欺についても、実行犯との共同正犯として起訴されているものと考えられ、大竹被告に詐欺罪の成立が認められない以上、福原被告も無罪の言い渡しをすべきである」とした。

提供 - 函館新聞社

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