旧函館山美術館売却交渉大詰め
update 2003/3/19 10:36
一昨年、経営不振で閉鎖され、空き家状態が続いていた旧函館山美術館(函館市元町3)の土地と建物について、所有者と市内の業者との間で売却交渉が進んでいる。所有者によると、交渉は既に最後の詰めの段階で、順当に進めば今月中にも契約に至る見通しという。売却後の用途は明らかにされていないが、かつて高層マンションの建設計画をめぐり、景観論争で揺れ動いた場所だけに、市や近隣住民は今後の推移を見守っている。
函館山美術館は、2000年4月に開館。国内の歌手や俳優らの絵画や書作など70点を展示していた。建物は高さ4・8メートルと周囲の風景に配慮しており、00年度に市都市景観賞を受賞している。しかし、入館者数の不振などを原因に01年8月に閉鎖され、現在まで空き家となっている。
美術館の土地と建物は、大手建設業者の大京(本社・東京)がが所有。90年2月に購入し、高層マンションの建設を計画していたが、景観の破壊を懸念した近隣住民が建設反対運動を展開したため、計画は頓挫した。美術館建設までの10年余りはさら地だった。
所有者は昨年から、今年3月末までの売却を目指し、市に買い取りと活用を打診。しかし、財政難を背景に具体的な活用策を示す部局はなく、市の買い取りは事実上、立ち消えとなった。以後、市内の業者3社と売却を視野に交渉を続けていた。
近隣に住む市民からは「元町のカラーにあった活用を」「函館ゆかりの芸術家の美術館がほしい」「風情に合ったギャラリーを」などと“聖域”を意識した声が上がっており、地域ぐるみで今後の利用方法に注目している。市都市建設部では「売却後は地域住民に対する説明会など必要な手続きなど、アドバイスしていきたい」としている。
提供 - 函館新聞社
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