民家を芸術空間に

update 2003/3/17 10:43

 出展作家や一般来場者が宿泊しながら美術作品やパフォーマンスを発表、体験する「民宿美術」と題した企画が、21日から23日まで、函館市元町24の民家を舞台に展開される。札幌の若手作家らでつくるグループ「LOPPACO(ロッパコ)」の企画。制作過程や宿泊を楽しみながら、民家ならではの表現を目指す実験的な展覧会だ。

 LOPPACOは一昨年8月、市内元町の民家で展覧会を開いたのを機に発足。昨年2月には北九州市の民家でも展覧会を開き、今回はその時のメンバー6人を中心に約20人が参加する。半数以上を札幌在住者が占めるほか、遠くは鹿児島、北九州、山形などからの参加もある。

 会場は、2DKの住宅2戸が入った木造平屋建ての長屋。出展者は基本的にここに寝泊りしながら作品を仕上げ、発表する。テーマは自由。押し入れを遊びの空間に作り上げたり、床の間やトイレを使って表現するなど、住宅と関連づけた作品が多い。中には自作の映像を流す人、地域住民らから皿を借りて展示する人も。作品制作に限らず、パフォーマンスの発表もある。

 函館からトラスト(河内昌子代表)から助成を受けての活動。一般の宿泊も1日4人まで受け入れる。期間中は午前11時から午後7時(最終日は午後5時)まで自由に来場できる。22日午後7時からは会場で、自由参加の交流会も開く。

 3月に入ってから、出展者が会場への出入りを始めており、6日からは埼玉県在住の内田亨輔さん(22)と佐々木玄さん(22)が長期滞在している。現在のところ、道南からの出展はないが、出展者らは地元住民らとのかかわりを積極的に進めていきたい考え。

 この企画の代表で函館出身の宮嶋宏美さん(24)=札幌在住=は「遊びや楽しさをどう作品に打ち出していくかがテーマ。この場所でしかできないものにしたい」と話し、「いろいろな年代の人に来てほしい」と来場を呼び掛けている。

提供 - 函館新聞社



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