焼損した遺物の修復にめど

update 2003/3/13 11:01

 世界最古とされる漆製品など、約7万点の出土品が焼損した南茅部町埋蔵文化財調査団事務所の火災から約2カ月半。火災現場から回収された遺物の修復にめどが立った。足形付土版など20点は、6月から全国7カ所で開かれる「発掘された日本列島2003」(文化庁など主催)に出展が決まっている関係で、同庁が担当。右肩の一部が回収された漆の装飾品については、道教委と同町、漆の分析・修復で多くの実績を持つ奈良文化財研究所が共同で行うことになった。4月には具体的な作業が始まる見通し。

 同仮設事務所で12日に開かれた、遺物の修復・保存作業の検討会議で決まった。会議では、奈良文化財研究所の高妻洋成主任研究官が漆の装飾品について「深刻な状態」と指摘。CTスキャンや顕微鏡による観察などで状態を見極め、糸の構造を保存するか、漆の成分抽出を優先させるかなどの判断を行う方針を示した。

 また、会議後の記者会見で、文化庁記念物課の坂井秀弥主任調査官は「今回の被災を教訓としたい」と話し、全国の発掘現場で「出土品の内容に配慮して保管方法を変えるなど、改善の余地はある」とした。

 現在、遺物の回収作業は8割が終了。足形付土版1枚も新たに見つかり、コンテナにして約1500箱分が運び出されている。町はこれら回収した遺物の分別・洗浄作業について、緊急雇用対策で行うことを検討している。

提供 - 函館新聞社



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