安価が魅力「ペット米」
update 2003/3/11 10:40
「ペットも喜び、家計も大助かり」―。大野町内にある老舗(しにせ)米販売店の中村米穀店(本町152、中村市之代表)では、犬などのペットのえさ用の「ペット米」を販売している。販売には向かない規格外のコメを集めたもので、10キロ1000円という安価が魅力。えさ代がかさむ大型犬を飼育している人など、町内外から買いに来る人もおり、同店の“隠れた看板商品”として根強い支持を得ている。
同店は中村代表の父親の故・中村長市さんが、約70年前に開店。数年前までは店舗裏の精米所で精米も行っており、変色していたり、作業の途中で砕けたりして、製品にならない米粒が生じていたのが、「ペット米」発売のきっかけとなった。
なじみの客から「犬に食べさせる安い米があればいい」とのリクエストを受け、取り除いた米を集めて商品に。精米業務を停止した現在も、仕入先の米穀業者から同様に余った米を取り寄せており、無地の米袋に犬のイラストをあしらった同店オリジナルラベルを張って販売している。
米自体の価格が下落傾向にあり、ペットブームでさまざまな種類のドッグフードが登場しているものの、うわさを聞いて函館からやって来る客も。「スズメや野鳥のえさ用にと買う人もいます。売り上げは安定していますね」と、店を切り盛りする、中村代表の妻、セツさん(72)と娘の記子さん(45)。
昔は犬ぞりで米を配達していたといい、飼っている犬のハク君(13歳)もペット米で成長、昨年の冬に店に迷い込んで来た小犬のさくらちゃんも、味のついていない白飯が大好物と、何かと犬と縁が深い同店。2人は「これからも需要がある限り、販売していきたいですね」と話している。
提供 - 函館新聞社
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