「ひきこもり交流会」発足

update 2003/3/7 10:30

 深刻な社会問題となっている「ひきこもり」の家族や当事者を支援しようと、「道南ひきこもり家族交流会」(事務局・函館渡辺病院医療福祉科)が誕生した。今後、定期的に家族や援助者らが集まり、悩みを語り合う中で問題解決へと進めていきたい考え。これまで道南地域には、ひきこもり支援を目的にした専用の受け皿やネットワークがなく、悩みを抱える家族にとって心強い存在となりそうだ。

 ひきこもりとは、特定の病気や障害ではなく、自宅以外での生活が長期間、失われている状態を指す。精神疾患が影響している場合もあれば、明確な原因が分からない場合もある。全国的な推計では、50万人以上とも100万人以上とも言われている。

 道南では今年度、小林幹穂さん(精神科医)池田栄子さん(保健師)野村俊幸さん(社会福祉士)の3人が中心となり、保健所や自治体などが主催するひきこもりの学習会などと連動し、家族交流会を開いてきた。5回の開催で、延べ10組の家族が参加し、「グループとしてやっていける」と判断したことなどから、2月27日に正式発足に踏み切った。家族のほか、社会福祉士、学校教員、臨床心理士などが援助者の立場から参加している。

 今後の活動は、毎月第4木曜の午後6時に開く家族交流会をメーンに展開。家族が悩みや近況を語り合い、援助者とともに問題を考えていく。交流会に参加できないひきこもり当事者や家族に向けたメッセージとして、ニュースレターの発行にも力を入れる。将来的には一般市民への啓もう活動、当事者サポートにも取り組みたいとしている。

 副代表代行を務める小林さんは「ひきこもりの本人はなかなか出てこられないと思うので、家族サポートが主になる。有効な解決策はないが、家族をエンパワーメント(力づける)し、この問題を一緒に考えていきたい」と話している。
 次回の家族交流会は3月27日午後6時から函館市総合福祉センターで。ひきこもりの本人や家族であれば、誰でも参加できる。同会への申し込み、問い合わせは事務局TEL59-4198。

提供 - 函館新聞社



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