毛無山に登山道整備
update 2003/3/2 17:14
大野町内の毛無山(けなしやま)に登山道を造ろうとする動きが、町と地域有志の間で生まれている。町や町内の自然・山岳愛好者らがこのほど最初の打ち合わせ会議を開き、雪解け後の4月下旬にもルートを視察して整備に着手、秋の紅葉時期には地域住民を対象に登山会を開くことを決めた。登山道に通じる道の途中には、ハイキングコースとして人気の檜沢(ひのきざわ)の滝、大石の沼があり、さらに魅力ある山歩きルートができることに。関係者は「自然豊かな大野の新たな名所になれば」と期待を寄せている。
毛無山は標高750・6メートル。町内では二股岳(標高825・6メートル)、中二股岳(同818・2メートル)に次いで3番目に高い。昔は物資を運ぶ道として利用され、現在も若干残る山道には、大正時代に造られたとされるみかげ石製の測量基点が残されているほか、明治時代に描かれた絵図にも山が記されるなど、歴史的価値もある。
同山に詳しい町内の国有林監視人、三国実さんによると、山頂からは駒ケ岳ほか晴れた日には羊蹄山も望め、野草も豊富という。残った山道を生かし、自然に負荷をかけずに、登山道を造ろうとの機運が高まった。
打ち合わせ会議(町中央公民館)に集まったのは、町、町教委の職員3人と三国さん、町自然に親しむ会会長の丸岡進一さん、山や山野草に造けいが深い宗像英明さん(大野萩野小教頭)の6人。下見で山頂まで登った後、5月にも笹を刈り取って登山道として開放すること、10月中旬には皆で登山するイベントを開くことを決めた。
ルートは国道227号から既に散策路ができている大石の沼までが約2キロ、そこから毛無山の山頂までは3、4キロで、所要時間は片道3時間半程度。こう配があまり厳しくないルートを選んで整備する考えで、滝や沼など自然がつくり出したバラエティー豊かな景色を楽しめるという。
会議では、道幅も極力広くせず、景観と自然に配慮した整備を確認。野草の盗掘やトイレの問題ほか、クマの出没への対応なども協議した。メンバーは「ガイドブックで紹介されている山は、町内では二股岳のみということが多い。魅力あるコースを備えた山を紹介でき、多くの愛好者が訪れるきっかけになれば」と話している。
提供 - 函館新聞社
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