「近江家住宅」お披露目
update 2003/3/2 17:13
函館市内の赤川通沿いにある明治時代前期の大規模農家住宅「近江家住宅」(赤川町372)の修復・改修工事が完了し、1日、関係者にお披露目された。屋根がかやぶきから銅板とかわらに張り替えられたものの、骨組みなどの基本構造、ふすま、神棚などは1884(明治17)年の建築当時のものが生かされ、美しい姿の再現に親族らが喜び合った。
近江家住宅は平屋建ての木造民家。面積約260平方メートル。滋賀の近江商人を先祖に持つ近江家一族の総本家でもある。当初、建て替えも検討されたが、専門家から「まだ100年もつ」と進言を受け、一昨年11月から昨年11月にかけて保存工事が行われた。
この日のお披露目会には、地元の親族ら約80人が出席。建物内部を見学したほか、正午すぎからは祝宴も開かれ、建物の復元を喜び、思い出などを語り合った。
建物は全体を2メートルほど土台上げし、屋根部分のかやぶきを撤去、銅板とかわらを張った。近江八景が描かれた16枚のふすまや欄間は長野県の業者、朱塗りの神棚や仏壇は京都の業者の手で修復されている。
北側奥の2間は、建築当時をそのまま維持した一方、南側半分ほどの居住スペースは、天井をとって吹き抜けとするなど、内装には現代的なデザインを取り入れた。また、断熱材を入れて機密性を高めている。
この建物に住む近江千恵子さん(65)は「ここの家から多くの方が出ているので、昔のままに改修されてとてもうれしい。すき間がなくなり、部屋も暖かくなった」と話している。
提供 - 函館新聞社
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