馬場みつさんの遺産2億7000万円を寄付
update 2003/2/21 10:39
昨年7月に東京で亡くなった函館出身の眼科医、馬場みつさんの遺族らが20日、函館市を訪れ、馬場さんの財産である現金2億7000万円と都内の土地・建物を同市に寄付した。市は寄付金をもとに新たな基金を設立し、福祉事業などに役立てる。
これだけの多額の寄付は函館市で初めて。馬場さんは遺言状の中で「函館の土地のお陰で医師になれ、仕事にもまい進できた」と古里への愛着をつづり、そのお礼として同市への財産寄付を明記していた。
この日は、馬場さんのおいにあたる馬場暎一さん(歯科医)夫婦と、弁護士の上田幸夫さん夫婦が市役所を訪れ、井上博司市長に寄付金などの目録を手渡した。
井上市長は「大変な額の善意をいただき、市民を代表して感謝したい。大切に使わせてもらいます」とお礼を述べた。歓談では遺族らが「少女時代の函館の思い出を亡くなるまで話していた」「物を繰り返し使うなど、本人の生活は質素だった」などと馬場さんの思い出話に花を咲かせていた。
引き続き遺族らは、市内住吉町にある馬場家の墓を訪れ、馬場さんの遺骨を納めるとともに、寄付を無事終えたことを墓前に報告した。
馬場さんは1903(明治36)年2月、七飯町字桜町で7男5女の4女として生まれ、函館青柳尋常高等小学校、函館高等女学校(現函館西高校)を卒業後、東京女子医学専門学校(現東京女子医科大学)に進んだ。医師になってからは都内文京区の眼科医院で診療にあたり、自らは独身を通した。
提供 - 函館新聞社
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