青函博出展の住宅が里帰り

update 2003/2/20 10:46

 青函トンネル開通記念博覧会(青函博)に出展後、空知管内栗山町で保存されていた間伐材使用の建築物がこのほど函館市内に再移築され、約15年ぶりに“里帰り”した。北大大学院教授(水産科学研究科)の嵯峨直恆(なおつね)さん(52)が購人し、実現した。建築物は22日の落成後、嵯峨さんの自宅兼オフィスとなるほか、「函館好きの人とマチづくりを語り合える場になれば」(嵯峨さん)と、マチおこしのための集いの場などに活用する予定だ。

 この建築物は、1階に駐車場を備えた3階建ての木造住宅(約330平方メートル)。材質は間伐林(道内産トドマツ)を切り込み、圧縮するなど加工した集成材を使用している。

 博覧会が開かれた1988年当時、チップや廃材にしか価値がなかった間伐材を、「函館木の城たいせつ本社」(塗訓社長)が建築素材として研究。住宅を建築し、弁天地区の会場に「木の城・青函博モデル」として出展した。

 博覧会終了後は、同社グループの本拠地である栗山町のメーカー基地に移築し、屋外で保存していた。嵯峨さんはエコロジカルな同社の姿勢と建築物に感銘し、交友関係のある山口昭創業オーナーの協力を得て同社から購入した。

 再移築先は駒場町7の嵯峨さんの所有地。素材はがしや一部やせ細った材質を補強するなど、苦労しながらの作業は進み、昨年9月の着工から約4カ月をかけて移築が完了。その後、内装工事が続けられてきた。

 嵯峨さんは海洋創成研究会副会長として、函館国際海洋都市構想に尽力している人物。落成後は新渡戸稲造が市民のために開学したという「札幌遠友夜学校」をモチーフに「“函館遠友夜塾”をつくり、静かな雰囲気で月に1、2回でも市民と一緒に勉強したい」と楽しみにしている。

 22日は午前10時から午後零時までの2時間、一般参加も可能な内覧会が行われる。問い合わせは函館木の城たいせつ本社TEL49-3150。

提供 - 函館新聞社



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