上磯で3人死亡、無理心中か?

update 2003/2/19 11:45

　１８日午前９時半ごろ、上磯町茂辺地１、運転手、野田昌芳さん（４２）宅から、男性の声で「今、人を殺した」と１１０番通報があった。函館中央署員が現場に向かったところ、同宅２階８畳間で、ベッドの上に野田さんの妻でパート、奈津美さん（４０）が、床には奈津美さんの父で函館市美原４、無職、金澤政弘さん（７１）と野田さんがそれぞれ血を流して死んでいた。３人とも腹や首などに刺し傷があり、野田さんの近くから血の付いた包丁が見つかった。同署では外部から侵入した形跡もなく、現場の状況などから、野田さんが２人を殺害して自殺し、無理心中を図ったものとみて、殺人事件として調べている。

　同署によると、野田さん夫婦は夫婦間の不仲など、家庭内のもめ事をめぐり４―５日前から別居中で、同日朝から奈津美さんと金澤さんが家財道具を運びに来ていたという。通報は野田さん本人が自宅電話の子機からかけたものとみられ、うめき声とともに途絶え、回線はつながったままだったという。

　同署では１９日午前１０時から、現場検証を行い、３人の遺体は札幌医大で解剖される。

　茂辺地は７００戸、約１６００人の漁業を中心とした地区。現場は国道２２８号から約１００メートルほど入った閑静な住宅街で、付近は一時、警察や消防などの車両でごった返し、住民たちが不安げな表情で見守っていた。

　近所の女性は「夫婦げんかが絶えなかったと聞いている。奈津美さんはやさしい人だったのに」と話し、事件直前の午前９時ごろ、野田さんと世間話をしたという自営業の男性（６３）は「変わった様子はなかった。信じられない」と驚く。１６日に野田さんから相談を受けていたという、知人男性は「こんな事件になるとは…」と肩を落としていた。

提供 - 函館新聞社

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