長引く景気低迷、選挙にも影

update 2003/2/18 10:37

 今春の統一地方選に向けて臨戦態勢に入った道南の各陣営に、長引く景気低迷の影響が出始めている。自民党・保守系候補予定者の後援会事務所では、企業から回される支援部隊がめっきり数を減らし、労組の組合員削減が目立つ民主党・連合も、各後援会の人手集めに苦労している。選挙事情が様変わりする中、各陣営では選挙戦本番に向けた戦術の転換を迫られそうだ。

 道議選函館市区は、定数6に現職・新人10人が立候補する道内有数の激戦区。本番突入を控えたこの時期の各後援会事務所は、企業・労組からの人の配置や支持者の出入りが活発になるはずだが、今回は事情が一変している。

 ある保守系候補予定者の後援会事務所では「中小企業は不景気の影響をもろに受けている」とし、これまで選挙にかかわることの多かった建設・土木業者については「公共事業削減で従業員のリストラが進み、選挙事務所の人集めが大変」という。他陣営でも「選挙に回す余剰人員は望めない」と企業側の事情を代弁する。

 また、民主の各陣営でも不況を背景にした同様の悩みを抱えている。選挙戦の核となる各労組では、組合員削減や組合専従者が減少し「労組役員が休職して選挙事務所に張りつくことが難しくなっている」(民主関係者)。一方では「政治闘争に対する組合員の意識が冷めてきている」との指摘も。

 政党を問わない不況の影響は、それぞれの選挙関係者に戦術の転換を強いている。保守系候補予定者の一人は「企業をないがしろにするわけではないが、頼りにもできない。企業票の奪い合いが激しくなる前に、重点エリアを設定して地域に深く入り込みたい」と企業型選挙からの脱却を公言している。

提供 - 函館新聞社



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