労働相談高水準

update 2003/2/10 11:05

 函館労働基準監督署に寄せられる労働相談が高水準で推移している。昨年1年間の相談件数は1698件に上り、3年連続で1000件を超えた。1998年以降の5年間で2・5倍に増加しており、相談内容は賃金の不払いや解雇が大半を占めている。デフレ不況による企業の経営環境悪化は、道南の労働者の間でも現実の痛みとなって表れている。

 過去5年間の相談件数の推移をみると、98年の682件から、99年が前年比19・9%増の818件、2000年が同36・6%増の1117件、01年が同44・4%増の1613件と増加率も年々上昇。昨年は同5・3%増で増加率は落ち着いたが、98年に比べ、約1000件も増えている。

 昨年の相談件数の内訳は、賃金不払いや賃金の遅滞、サービス残業などの「賃金」問題が前年比6・8%増の862件で、全体の46%。このうち、退職金に関するものが前年比20・2%増の101件。同署では「企業の資金繰りが苦しい状況も影響している」とみる。

 また、「解雇」は前年より8・7%減少したものの、407件と全体の22%を占め、依然として高水準。このほか、長時間労働などの「労働時間」が147件、「年次有給休暇」が91件で「制度がない」「請求しても取れない」などの相談が寄せられているという。

 業種別では、商業が226件と最も多く、接客娯楽業220件、建設業197件と続く。しかし、比率は全業種とも1割程度で「特定の業種に限らず、全般的に厳しい環境」(同署)という。

 今年の相談件数も高水準が続いているおり、同署は「厳しい状況でも最低限、労働条件を守り、労使の信頼関係を築く中で、不況を乗り切ってほしい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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