金魚のもらい手探してます

update 2003/10/30 09:58

 大切に育ててくれる人はいませんか―。函館市新川町27の丸美屋旗幕店の店主、山崎悠子さん(61)が、亡き夫の輝一郎さんが大切にしていた金魚の「子供たち」のもらい手を探している。今年5月に約100匹が産まれ、既に半分は函館市立幼稚園などに寄付。残った約50匹についても「情操教育に役立てもらいたい」と幼稚園など子供のいる施設への寄贈を希望している。

 昨年5月に他界した夫の輝一郎さんが大切にしていた金魚が今年5月に産卵。約100匹の稚魚が産まれ、寄贈を考えた。

 輝一郎さんは、大の金魚好きで、1メートル×2メートルの大型水槽2つに70―80匹の金魚を飼っていた。中には、体長20センチ以上の、コイと間違えられるほど立派な金魚もいたという。知人などから譲ってほしいと頼まれることもあったが「娘を嫁にやるよりつらいといって絶対に人にあげなかった」(悠子さん)。

 輝一郎さんが他界し、1人ではとても育てられないと思った悠子さんは、思い出に3匹だけを残し、残りは以前から欲しがっていた知人に水槽ごと譲った。輝一郎さんの思いを裏切る気もしたが、「大切に育ててもらったほうがいいのでは」と心を決めた。

 3匹が泳ぐ水槽に卵を発見したのは、輝一郎さんが死んで1年が経った5月。放置すれば、親魚が卵を食べてしまう。「夫に育ててと言われた気がして」別の水槽に移し、育てることにした。

 卵からふ化した約100匹の稚魚は元気に成長し、たくさんの小さな命は水槽の中をスイスイと泳ぎ回った。その光景を目にした悠子さんは「子供たちに小さな生き物を育てる大切を知ってほしい」と思い立ち、孫が通う幼稚園などに約50匹を寄贈した。

 幼稚園で大切にされていることを聞くと、輝一郎さんとの思い出が増えていく気がしてうれしくなるという。「夫も今となっては、大切に育てくれる人にもらってほしいのでは」。

 金魚についての問い合わせは同店TEL26・2570。(後藤泰良)

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです