票の行方(下)渡島・檜山
update 2003/10/24 10:45
「わが陣営は政策を訴えていくだけだが、郡部の票がどこにいくか、大きなポイントになるのでは」
小泉改革路線の誤りを強調し、野党色を強める共産党新人の伏木田政義氏は、郡部での手応えを感じつつ、保守分裂による投票行動への影響を測りかねている。選対関係者は「渡島・檜山で最低1万票を目指す」とし、基礎票の取りまとめを図る。
事実上、自民・民主の前職同士の一騎打ちとなった前回、前々回の郡部得票をみてみる。
道4区(後志管内、札幌市手稲区)に国替えする民主党の鉢呂吉雄氏は、今金町農協元参事という役職と人柄で保守層をも取り込み、小選挙区制となった前々回(1996年10月)に約4万9000票、前回(2000年6月)は約5万2000票を集めた。
これに対し、北檜山町生まれの自民党の佐藤孝行氏は、郡部で圧倒的な強さをみせている。前々回が約5万3000票、前回は約6万2000票にまで伸ばした。
しかし、鉢呂氏も郡部で4割を超す得票率で善戦し、これに函館市の“貯金”を加え、議席を守ってきた。
郡部で弱い民主党陣営は、どう票読みをするか。比例道ブロックからくら替え出馬する民主党の金田誠一氏陣営には「鉢呂氏の3分の2いけばいい方」との消極的な声すらあり、4万票を最低ラインに置く。八雲、長万部、森の渡島北部を基盤とし、今春の道議選渡島支庁区でトップ当選した同党の岡田俊之道議がフル回転で、支援を呼び掛けている。
一方、孝行氏の二男で自民党新人の佐藤健治陣営は、鉢呂氏の国替えを「追い風」と受け止める。檜山管内10町すべてで最多得票を取る可能性もあり、鉢呂氏に流れていたとみられる保守層の票をがっちり固めることで5万票台からの上乗せを目指す。
佐藤氏陣営の選対幹部も「前回の孝行氏以上は間違いなく取れる。農協関係はうちに流れる」と、並々ならぬ自信を見せる。
未知なのは保守系無所属新人の前田一男氏だ。知名度不足は否めないが、出身地の松前町のほか、福島や長万部などで徐々に浸透している。さらに、自宅のある上磯に七飯、大野を加えた都市部3町でも支援の輪を広げつつある。
ただ、佐藤孝行氏の強固な地盤でもある檜山管内では、後援会組織さえ作るのが苦しい状況。選対幹部は「公示に向け町村での浸透にウエートを置いているが、無所属のハンディが大きい」と、思うように進まない支援拡大策に頭を痛めている。
しかし、前田氏の戦い方や自民党森派からの支援次第では「台風の目」とみる関係者もおり、金田、佐藤両氏陣営は警戒を緩めず、票の取りこぼしを防ぐのに懸命だ。(衆院選取材班)
提供 - 函館新聞社
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