保守分裂で深まる混迷

update 2003/10/23 10:59

 「2人とも本当にいいタマ(候補者)なのに。惜しいよね、保守分裂は」

 自民党の選対関係者は党公認の佐藤健治氏と、党公認に漏れて保守系無所属で出馬予定の前田一男氏による保守分裂選挙を悔しがる。「一本化できれば保守奪還も可能なのに」と続ける。

 事実上、民主党の鉢呂吉雄氏と自民党の佐藤孝行氏の一騎打ちとなった前回衆院選(2000年6月)。約24万人の有権者がいる大票田・函館市での得票数が大きくものをいった。

 同市での得票は鉢呂氏が7万1418票(市内での得票率52・2%)、孝行氏は4万9513票(同36・2%)で、その差は約2万2000票。都市部の上磯、七飯、大野3町でも鉢呂氏が3000票上回った。

 この3町を除く渡島管内町村では、孝行氏が鉢呂氏に約8000票の差を付けた。桧山管内でも約5000票の差で孝行氏が制した。

 結局、都市部は郡部の“蓄え”では補い切れず、孝行氏は1万2000票差で涙をのんだ。

 孝行氏の二男・健治氏で臨む佐藤陣営の選対幹部は「市部での目標は最低3万5000票。あとはどこまで上積みできるか」。1999年4月の函館市長選で孝行氏が擁立した畠山博元道議の得票(3万6959票)を見込んでいる。

 約2万票とも言われる「反・非佐藤」票の多くは、選対幹部に旧阿部(文男元衆院議員)派が顔をそろえた前田陣営に流れる公算が大きい。さらに鉢呂氏票や公明党票の一部も流れるとみられる。

 その前田陣営では自民党森派との強いパイプをアピールしながら、保守層への浸透を図るが、「現段階で有権者はどちらが強いか見極めているのでは」(選対幹部)。女性や若者ら無党派層の取り込みで底上げを狙う。

 保守分裂の好機だが、道比例ブロックからくら替えとなる民主党の金田誠一氏も苦戦を強いられている。前回鉢呂氏に流れ込んだ反・非佐藤票は見込めない。9月末に起きた阿部義人前道議の傷害事件の影響もあり、陣営では「市内の組織票4万5000票にも届かないのでは」と危機感を強める。

 共産党の伏木田政義氏は前回、原田有康氏が同市部で獲得した1万5862票から上乗せを図る。前々回の高橋佳大氏の得票(1万6586票)以上を目指している。(衆院選取材班)




 小選挙区になって初めての保守分裂選挙。28日の公示を前に混迷の度合いは深まる一方だ。衆院選での過去の得票数を振り返りながら、票の行方を占った。

提供 - 函館新聞社



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