バイオフィルター実験成功
update 2003/10/16 11:50
米国ワイオミング大客員教授の門上洋一さん(51)が主宰する門上研究室(函館市東山町210)は、同研究室が開発した、水槽内の魚の尿に含まれるアンモニアをほぼ無害にする浄化用バイオフィルターを使い、同研究室から愛媛県宇和島市まで、魚を生きたまま輸送することに成功した。門上さんは「冷蔵車を使った宅配であれば、固形酸素とバイオフィルターで、活魚を国内どこにでも送ることができることが実証できた」とし、来春までに事業化する考えだ。
実験は宅配業界大手の協力を得て実施した。使用した魚は、体長25センチ程度のクロソイ。高さ20センチ、幅30センチ、奥行き20センチ四方の発泡スチロールに、海水、固形酸素、縦10センチ、横7センチのバイオフィルター4枚とともに、1匹ずつ、3箱こん包した。
輸送にかかった時間は48時間。到着した3匹は、ともに元気だったという。フィルター抜きの状態でも3匹輸送したが、開けた時には死亡していた上、腐臭も漂っていたという。死後硬直の度合いから、初日の段階で死んだとみられる。
この成功を受け、門上さんは本州企業3社と提携を結んでおり、来春までには事業化する予定。対象を魚にとどめず、カニやエビまで拡大する。門上さんは「このシステムは活魚輸送を根底から覆すほど画期的。函館は水産の街なので、事業化には、地元企業にも参画してほしい」と話している。
バイオフィルターは炭化した綿に付着した2種類のバクテリアを付着させ、魚が出すアンモニアを無害化する簡易な仕組み。魚の生存率を飛躍的に高める効果がある。研究は5月に着手し、9月に試作品が完成していた。
提供 - 函館新聞社
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