理・美容室「ハート」が設立１０周年

update 2003/10/16 11:47

　寝たきりや体の不自由な人への美容出張サービスを提供する理・美容室「ハート」（小林秀樹代表、函館市梁川町２１）が今年で設立１０周年を迎えた。小林代表は「持っている技術で市民の役に立ちたい。“安くてきれいになれる”を実現していきたい」と話している。

　同美容室は、小林さんが別に経営していた美容室の客の一人が寝たきりになり、店に来られなくなったのがきっかけで、１９９３年に設立。出張サービスは当初、在宅のお年寄りらが中心だったが、需要の多さから福祉施設や病院などにも足を運ぶようになった。正月三が日を除き年中無休のため、理・美容免許を持つ専用スタッフ２０人が、毎日交代で市内・近郊を駆け回る。

　また年２回、感謝の気持ちを込め、道南の福祉施設で技術を無料提供。今年４月に赤川町の老人介護支援センター「ももハウス」でサービスしたほか、今秋も他の施設で実施する予定。

　料金はカット２０００円から、毛染め、パーマがセットでも５０００円からと低料金に設定。一日平均３０件の依頼があるが、コンセプトは「絶対に手を抜かない」ことという。

　顧客の一人、上磯町久根別の宮川セツさん（８２）は、インフルエンザで体調を崩し、ほとんど寝たきりの時に同店の存在を知り、利用は今回が３回目。約２時間でパーマとカットを終えると、「外に出られないのでありがたいです。感謝感激」と、さっぱりとした顔で笑った。

提供 - 函館新聞社

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