陶芸「土」の会が初窯
update 2003/10/13 09:38
昨年11月、函館市蛾眉野町に念願の登り窯「がびの窯」を製作した地元の陶芸グループ、陶芸「土」の会(熊坂実会長)が、初めての窯焚(た)きに取り組んでいる。5日から24時間体制で窯焚きを続けており、12日には作業もいよいよピークに。11月には初窯展の開催が決まっており、会員は慣れない作業に苦労しながらも夢の実現に喜びをかみしめている。
窯は、傾斜地を利用して焼成室を連結したレンガ造りの登り窯。大きさは幅2メートル、長さ8メートル。昨年11月の火入れ式後、薪の準備や作品制作などを経て、ようやく初窯にこぎつけた。
窯入れや焼き方は、同会と長年交流している青森県むつ市在住の陶芸家、太郎仁さん(51)が指導。今回も11日から現場に泊り込み、会員とともに作業を見守っている。
窯焚き作業は順調に進んでおり、12日には窯内の温度を高くする「攻め焚き」にも挑戦。窯上部の色見穴からは赤い炎がゆらめき、会員は汗をにじませながら絶え間なく薪を投入し続けている。
現在、窯に入っているのは、会員が作った食器や花入れなど、約500点。すべて焼き締め作品で、地元・蛾眉野の土も使っている。これらの初窯作品は11月5日から11日、棒二森屋本館7階特選サロンで太郎仁さんとの合同展として発表する計画だ。
熊坂会長は「会挙げての喜び。どんな作品が出てくるかワクワクする。みんなに見てほしい」。太郎仁さんは「陶芸をやる者にとって、薪窯は究極の目標。非常に魅力があるが、多くの時間と場所が必要になるため、簡単にはできない。将来、ここから作家が育っていけば」と期待を込めている。
提供 - 函館新聞社
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