旧モンテローザのホテルに営業当時の寝具そのままに・9月下旬には火災発生・恵山町「財政難で処理できず」
update 2003/10/12 11:25
【恵山】9月下旬に不審火が起きた恵山町所有の旧恵山モンテローザのホテルの建物内に、営業当時の寝具類が放置されている。同町は「いたずらなどによる火災の危険は高いと思うが、処理には費用が掛かり簡単ではない」と、苦しい台所事情に理解を求める。しかし、火災のリスクを負いながら“保管”することには町内外から疑問の声が出ており、今後、大きな議論を呼びそうだ。
この旧ホテルは、廃業後、若者らの間で「お化け屋敷」と呼ばれ、怖いもの見たさの不法侵入などが相次いでいる。同町では今年7月に警備会社と契約し、防犯体制を強化。9月上旬の時点では「効果が上がっており、不法侵入はなくなった」としていた。
しかし、9月18日午後2時50分ごろ、不審火で内部約45平方メートルを焼き、焼け跡からはろうそくが発見された。現場の状況から、日中に何者かが侵入したとみられ、同町は「予想外の出来事」と驚きをみせる。
同施設では、それまでにも火事騒ぎがあったほか、寝泊りに使われた形跡が発見されるなどしている。付近住民らの間では「火事があっても特別なことではない」「燃えた方が町は助かるのでは」と、あきらめの声も聞かれる。
同リゾート跡の「目玉」ともいえるねはん像が11月中に撤去されるため、一目見ようとする「駆け込み」の不法侵入者が増えることも懸念される。しかし、町は「見回り回数を増やすなどの対策を取りたい。布団など燃えやすい物は1カ所にまとめ、燃やされない方法を考えたい。ただ、(仮に燃やされても)コンクリート製の建物なので全焼はしない」とし、基本的には「現状維持」とする考えでいる。
同リゾート跡は、新興宗教団体が買い取る動きを見せたことから、町が2億円で買収。施設内のログハウスが順調に売れたほか、巨大ねはん像や凱旋門を模した門などの売却先も決まり、整理作業は着実に進んでいる。(後藤泰良)
提供 - 函館新聞社
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