市の生活保護受給者、1万人の大台突破

update 2003/10/8 10:56

 函館市の生活保護受給者数が年々増え続け、今年8月末時点で1万260人、6731世帯となり、1万人の大台を突破したことが分かった。長引く不況の影響による雇用情勢の悪化や、高齢社会の進行が主な要因とみられ、新規受給世帯が受給廃止世帯を大きく上回っている現状にある。市は「景気の状態が上向かないことには、受給者の減少は難しい」と頭を痛めている。

 市内の受給者は1986年度の1万778人をピークに減り続けていたが、1996年度以降、再び増加に転じ、昨年度末では9793人、6378世帯と7年連続で増加している。

 市によると、受給者は今年8月末時点で1万260人、6731世帯で、生活保護率(人口1000人当たりの生活保護受給者数)は36・0人。内訳で最も多いのは高齢者世帯で2971世帯(44・2%)。次いで傷病世帯1529世帯(22・7%)母子世帯1075世帯(16・0%)と続く。

 母子世帯が多いなど、もともと生活保護世帯が多い土地柄に加え、景気低迷などの影響で新規受給世帯が目だって増加し、逆に自立して生活保護を廃止する世帯は少ない。

 昨年度の新規受給は1068世帯、受給廃止は364世帯で、差し引き434世帯増えている。本年度も8月までの累計で、新規受給452世帯、受給廃止314世帯で、依然、新規受給世帯が受給廃止世帯を大きく上回っている。

 市は昨年度の当初予算に143億8200万円を計上したが、12月定例会に補正予算12億8400万円をさらに組んで対応した。本年度は当初段階で受給額を151億2209万円(昨年度比5・1%増)と見込んでいるが、今後受給者が増え続けた場合は昨年同様に補正予算計上も考えられるだけに、厳しい市財政をさらに圧迫することになりそうだ。

提供 - 函館新聞社



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