小井田武さんに神山茂賞
update 2003/10/3 10:05
社団法人・函館文化会(関輝夫会長)は2日、郷土史研究の功労者に贈る神山茂賞の受賞者を発表した。今年は「駒ケ岳噴火史」の編集で中心的役割を果たした小井田武さん(82)=森町御幸町=に神山茂賞、「会津・斗南藩と函館開拓使」をまとめた近江幸雄さん(66)=函館市白鳥町=に神山茂奨励賞が贈られる。
同賞は函館の教育史研究や市史編さん委員として力を尽くし、市文化賞を受賞している故・神山茂さん(1893―1965年)の業績をたたえ、1990年に創設。道南・函館の郷土史研究に業績を残した個人・団体に贈られている。
神山茂賞を受賞する小井田さんは、1921年椴法華村に生まれ、森町職員、小学校教諭などを務め、「アイヌ墳墓盗掘事件」などの出筆や、森町史写真集「森町のうつり変わり」などの編集にも携わった。森町が出版した「北海道駒ケ岳噴火史」編集に参加。中心的存在として、江戸時代からの火山活動や火山と住民の共生、伝説などを多角的に描いた。
小井田さんは92年に奨励賞を受賞しており、奨励賞と神山茂賞の両方を受賞するのは、道南女性史研究会以来2度目となる。
9年ぶりの神山茂奨励賞に決まった近江さんは、「五稜郭の群像」「函館人物史」「函館郷土覚え書」などの著作が多く、今年は会津戦争に敗れ、下北半島に転封された会津藩士と函館のかかわりに焦点を当てた「会津・斗南藩と函館開拓使」を出版した。
市役所で記者会見した神山茂賞選考委員会の安東璋二委員長(道教育大名誉教授)は「噴火を郷土史からとらえた小井田さんの仕事は、全国的にも珍しく、防災対策の面からも価値がある」と選考理由を説明した。
贈呈式は、11月7日午前11時から、五島軒で行われる。(佐々木 亨)
提供 - 函館新聞社
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