函病で非血縁者間の骨髄移植が可能に
update 2003/9/30 10:19
市立函館病院(松嶋喬院長)は29日、同院として10例目となる同種造血幹細胞移植を行い、骨髄移植推進財団(骨髄バンク)の「非血縁者間骨髄移植・採取施設」と、さい帯血バンクネットワークの「移植医療機関」の両方の認定基準を満たした。今後、申請を経て、骨髄バンクからは来年1月、さい帯血バンクネットワークからは今年11月にも認定を受ける見通し。認定後は、非血縁者間で骨髄移植ができるようになるほか、登録されたさい帯血などを使えるようになる。
現在、白血病患者などに非血縁者間での骨髄移植治療ができる病院は道内では札幌と旭川にしかなく、道南の患者には大きな負担となっている。また、骨髄提供希望者も、札幌などに出向く必要があり、骨髄移植推進の障害となっていた。
同院は、道南に非血縁者間の骨髄移植施設を作ろうと、血液内科医としての豊富な経験と知識を持つ現・同院内科長、輸血管理センター長の政氏伸夫(まさうじ・のぶお)医師(46)を迎えるなど、1998年から準備。2000年、現在地に移転した際には、30立方センチに0・5ミクロン以上のちりが100個以内(通常は数十万―100万個)の無菌室1室、同1万個の準無菌室3室を完備するなどした。
翌01年8月には、1例目となる同種造血幹細胞移植を実施。同年11月に2例目、02年にプラス2例、今年に入り、6例の実績を積み重ねてきた。
立ち上げからかかわってきた政氏医師は「札幌での移植では、家族が来札できないなど、患者さんは苦しく孤独な戦いを強いられていた。認定を受けることは、道南の医療にとっても重要な意味を持つと思う」と話し、「これからも、スタッフ一丸となって頑張りたい」と決意を新たにしていた。(後藤泰良)
提供 - 函館新聞社
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