サハリン残留邦人来函へ

update 2003/9/28 10:24

 サハリン残留邦人の加賀谷成子さん(72)の一家4人が函館での永住を希望し、10月1日から生活を始めることになった。4人の身元引受人を務める奈良一昭さん(65)=NPO法人日本サハリン同胞交流協会函館会会長=が中心となって、新居には家具や生活用品をそろえ終え、奈良さんは「スムーズに生活できるように支援していきたい」と話している。

 サハリン残留邦人が函館に永住するのは4組目。加賀谷さんは秋田県天王町出身で、函館と特にゆかりが深いわけではないが、先に永住帰国したうちの2組が現在も函館に住んでいることなどから函館を選んだ。加賀谷さん本人のほか、二女の加賀谷瞳さん(41)、瞳さんの長女美花さん(21)と二女ターニャさん(12)も永住する。

 新居は同市大川町の道営住宅の一室。奈良さんが今月、家具などの調達を始めたところ、市職員やリサイクル関係団体などが賛同し、再利用可能な粗大ごみや、閉鎖した宿泊施設から譲ってもらった生活用品などが次々と持ち寄られた。

 集まったのは食器だな、布団、学習机、ベッド、自転車など。ストーブや炊飯器、照明器具は奈良さんが自ら購入したが、「市福祉部の職員が家具を運んでくれるなど協力してくれた、本当にありがたい」と感謝している。

 奈良さんは函館に永住した3組の自立指導員を務めた経験があり、ノウハウは十分。今回は初めて身元引受人も引き受け、「大学生と子供がいるため就職や受験の世話も必要。新鮮味もあり、勉強しながら頑張りたい」と意欲を燃やす。

 4人は6月から中国帰国者所沢定着促進センター(埼玉県所沢市)での研修中で、奈良会長と合流後、一緒に函館に戻り、市役所への表敬訪問や帰国後の手続きなどを行うという。

 4人は当面、生活保護を受ける見通しで、奈良さんは「最低でも3年以内には、4人の就職や入学、日本語学習にめどをつけ、自立できるよう支援したい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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