ブルーリッジ入港で議論大詰め

update 2003/9/26 10:09

 米海軍第七艦隊の旗艦「ブルーリッジ」(1万9200トン)の入港予定日の10月1日まで1週間を切り、市民を巻き込んだ同艦の入港問題が大詰めを迎えている。函館市は25日、同艦入港に関する調査書などを市議会に提出したが、その内容からは、乗組員の上陸時間や函館出港後の行き先などは明らかにされていない。市側は30日をめどに入港を許可する見込みだが、入港に際しての不明点も多く、一部市議や市民団体は「函館港の軍港化につながる」として入港反対の意思を強めている。国と国との間に立ち、法律上からも入港を拒否できない市の苦しい立場が浮き彫りとなっている。

 市はこの日、市議会建設常任委員会(能登谷公委員長)に同艦の入港調査書と核兵器の有無について外務省、在札幌米国総領事館に質問した文書の回答文などを提出した。

 それによると、外務省は「米国との事前協議が行われない以上、核の持ち込みがないことは政府として疑わない」、米国総領事館は「日本政府に通知しており、外務省に直接問い合わせることを勧める」と、それぞれ回答。これを受け、里見滋港湾空港部長は「市としても核兵器は積んでいないと受け止めている」と述べた。

 しかし、同艦入港に関する調査書では、乗組員の上陸時間を「不明」としているほか、母港の横須賀港(神奈川県)の出港日時や、前回(1997年)入港時には明記されていた函館出港後の行き先も、保安・警備上の問題から「未定」となっている。

 里見部長は委員会で、「入港調査書に不明な点が多く、同艦の申し出は断れるはず」と指摘した上谷俊夫委員(無所属)に対し、一部の入港船は入港調査書の項目をすべて記載していない例があることを認めた上で、「基本的には施設使用が重ならなければ使用拒否はできない」と答弁。

 また、「市民の声を判断した場合に、入港を断ってもいいのでは」とただした板倉一幸委員(民主・市民ネット)に対しては「地域の声や考えを相手側に伝えることで対応したい」と述べるにとどまった。

 この日の委員会を傍聴した市民団体「非核・平和函館市民条例を実現する会」の水山修司共同代表は「書類に不備があるのにもかかわらず、入港を認めることへの疑念がある。もっと厳密な調査を望みたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです