11月総選挙へ各陣営照準
update 2003/9/25 13:14
小泉純一郎首相が自民党総裁に再選されたことで、10月の衆院解散が濃厚となり、衆院道8区補欠選挙(同14日告示、26日投開票)が回避される公算が大きくなった。補選に立候補を予定している4氏の陣営は、当初から解散・総選挙を視野に入れていたが、有力視される「10月10日解散、11月9日投開票」に照準を絞って走り始めている。
民主党現職で比例道ブロックからくら替え出馬する金田誠一氏(55)の陣営は決起集会の日程をずらすなど、すでに解散・総選挙を意識した戦術を展開。24日に自由党と合併し、陣営幹部は「総選挙で自民党との対決色が鮮明になる」と、政権交代に期待をにじませる。
小泉首相の党役員人事の目玉、安倍晋三氏(元森派)の幹事長起用にも「もともとタカ派だ」とし、小泉改革への批判を強め、政策論争に持ち込む戦略だ。誤算だったのが阿部義人前道議の逮捕。23日に党道南総支部副代表を解任するなど、信頼回復に全力を注いでいる。
自民党新人の佐藤健治氏(46)の陣営は「うちはあくまで補選にターゲットを絞って動いている。総選挙は決まってから考えたい」と慎重な姿勢を崩さない。ただ、事務所内のカレンダーには補選投開票日の10月26日に加え、総選挙投開票が有力な11月9日にも赤いマル印。総選挙を意識した戦い方を進めているのは間違いない。
佐藤氏本人は党の街宣車で町村部を回り、遊説活動などを活発化。10月1日には函館市内の湯の川グランドホテルで「女性の集い」を開き、元衆院議員の父孝行氏の支持層に加えた独自層を開拓する構えだ。
共産党新人の伏木田政義氏(56)の陣営は擁立決定前の6月から、補選と解散・総選挙を両にらみで戦略を立案、準備を進めている。全国的な傾向として、共産党は小選挙区で実績を残せず、比例区での議席獲得が国政の“生命線”。伏木田氏の当落以上に、党として比例区でどれだけ票を伸ばせるかが、選挙戦の成否を分ける。
このため、党国会議員団道事務所長の宮内聡氏ら党公認の比例道ブロック候補予定者が道南入り。伏木田氏との共闘を前面に打ち出し、勝機を見い出そうとしている。
保守系無所属新人の前田一男氏(37)は18日の後援会七飯支部事務所開きで「11月9日を見据えて活動している」と発言。「運動期間が長くなるのは、無名の自分にとってはありがたい。総選挙となれば投票率も上がり、自分にとってプラスになるのでは」と歓迎している。
また、自民党の公認は得られなかったが、同党森派と太いパイプを持っており、国民的人気の高い安倍氏の党幹事長就任も追い風と受け止める。10月6日には函館ハーバービューホテルで「政経セミナー」を開き、政治資金確保も急ぐ方針。(衆院選取材班)
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。