南茅部火災で課題論議
update 2003/1/28 11:09
昨年12月28日深夜、南茅部町埋蔵文化財調査事務所が全焼し、約7万点の出土品などが焼損した火災から1カ月、町では今後の課題についての論議が活発化している。今月27日に開かれた臨時町議会では、防火体制や修復状況についての質問が相次ぎ、石坂新一教育長は「責任の重大さを痛感している」と陳謝した上で、今後の対策強化を約束した。
同議会の中で石坂教育長は、焼失した建物で一括保管されていた重要遺物のデータについて「(別の場所に保管するなど)できることがあった」と答弁。議員からは「防火体制としては予算の問題もあり限界だったのでは」といった見方も示され、同教育長が声を詰まらせながら「これで十分か常に問い続け頑張りたい」と述べる場面もみられた。
事務所再建にあたって「防火設備として消火栓を設置できないか」との質問には、町の担当者が「早急に考えたい」と答えるとともに「燃えた事務所は高台にあり、決められた水圧を確保できるか検討する」とした。
火災現場に眠る未回収の出土品については、石坂教育長が「2万点の回収を見込んでおり、3月中の回収作業終了を目指す」と答えた。
火事の原因について森署では、同町臼尻生活改善センターに拠点を置き、道警函館方面本部と合同で捜査。燃え方などから、内部からの出火とみて失火と放火の両面から捜査している。
燃えた事務所はオール電化で、建築してから2年と漏電の可能性はほとんどない上、関係者の話によると、暖房器具などの持ち込みも行っておらず、火災発生の日に同事務所に入った女性研究員はたばこを吸わないという。
現場から50メートルほど離れた場所にあった1メートルほどの高さの井形に組んだ皮板2組が現場から消え、掛けてあったシートが燃えていたが、皮板を燃やした形跡はなく、事件との関連は明らかになっていない。また、火災発生当日の午前中に同町で物置横に置いてあった船が焦がされる不審火があったが手掛かりはつかめていない。
提供 - 函館新聞社
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