函館市　戸籍届け出本人確認に　１０月から

update 2003/9/21 13:59

　本人の知らぬ間に偽の婚姻届などが提出され、戸籍が書き換えられることを防ぐため、函館市は１０月１日から届け出の際、提出者の本人確認を始める。渡島、檜山管内では木古内町、恵山町に続いて３番目で、残る２４町村も同日から取り組む方針。窓口で運転免許証など顔写真付きの身分証明書の提示を求め、提示がない場合は本人に対し、届け出があったことを通知する。

　婚姻や養子縁組などは本人に限らず代理人の届け出でも受理される。このため、虚偽の届け出事件が札幌や仙台など全国で多発。函館市でも最近、虚偽の養子縁組が１件あり、戸籍を作り直したケースがあった。市は法務省が３月に出した提出者の身元確認を求める通達に基づき、実施を決めた。

　対象になるのは、婚姻届、協議離婚届、養子縁組届、協議離縁届の４つの届け出。窓口で運転免許証やパスポートなど官公庁が発行した顔写真付きの身分証明書の提示を求める。

　証明書の提示がなくても受理はするが、本人に届け出があったことを郵送で通知。代理人が届け出た場合や本人確認ができない夜間、休日の届け出にも同様に通知する。気付きにくい虚偽届け出の早期発見と、未然防止の２つの狙いがあるという。

　市は２００２年度、婚姻３７６０件、離婚１４０４件、養子縁組３０９件、離縁９６件の合わせて５５６９件を受理。市戸籍住民課は「身分証明書がなくても受理はするが、通知することで偽の届け出はすぐに本人が分かることになる。虚偽届け出の抑止効果になるはず」（戸籍係）と話している。

提供 - 函館新聞社

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