来月「宝湯」が営業再開

update 2003/9/20 10:27

 7月中旬、店主の岩館勝之さん(80)が脳こうそくで入院して休業していた銭湯「宝湯」(宝来町31)が10月1日に営業を再開することになった。岩館さんは、先月中旬に退院したものの、病後1カ月で完調とはいえない状態。営業再開には不安もあったが、常連客らの応援に「40年以上、宝湯を支えてくれた人たちが開店を待っている」と、もう一度、地域の銭湯に火を入れる。

 宝湯は、1956年5月1日に開業。薬湯と深さの違う2つの浴そうを備えている。たっぷりと張られたお湯は、常に湯船から流れ出しており、「気持ちがいい」と好評。89年には、サウナを設けるなど、利用者のニーズにも応えてきた。

 岩館さんは7月15日、まきで火をたいていたところ、意識を失い、救急車で運ばれた。医師の診断は脳こうそく。「左半身はだめだろう」と告げられたが、医師も驚くほどの回復を果たし、後遺症もなく、8月13日に退院した。

 同地域は、今年4月に末広町の草津湯が廃業した。銭湯通いを楽しみにしている高齢者にとって、今や宝湯は“最後の砦(とりで)”。「浴場の清掃は自分たちでやるので、お湯を張ってほしい」との声が上がるほど、再開を望む声が強まっていた。

 そんな温かいマチの声に支えられての再出発。営業は体調と相談し、閉店時間(午後3時開店)は午後10時から同9時、定休日も現在の月曜日に1日加えて週休2日にするというが、のれんが掛かるのを2カ月半待ち望んだ常連にはこれで十分。岩館さんは「お客さんは多少、不便になるかもしれないが、体の動く間は営業を続けたい」と心に新たな火をともしている。(後藤泰良)

提供 - 函館新聞社



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