水槽バイオフィルター開発
update 2003/9/19 10:44
米国ワイオミング大客員教授の門上洋一さん(51)が主宰する門上研究室(函館市東山町210の47)は、水槽内の魚の尿に含まれるアンモニアをほぼ無害にする浄化用バイオフィルターを開発した。炭化した綿に付着した2種類のバクテリアが無害化する簡易な仕組み。魚を長く生かすことができる上、装置も軽量で小型なため、活魚輸送分野での応用が期待されている。
門上さんによると、2種類のバクテリアはアンモニア酸化菌と亜硝酸酸化菌。それぞれ、アンモニアを亜硝酸に、亜硝酸を毒性の少ない硝酸に変える働きがあり、魚の生存率を飛躍的に高める。
菌が着床するために使用している炭化綿は同研究室が開発した。綿に、酸素のない状態で熱を加え、炭化したもので、吸着性に優れ、バクテリアを付着させるのに最適な素材だという。
バイオフィルターの特徴は、〈1〉菌が生きているため、すぐ効果が現れる〈2〉ティーパック状にすることもでき、軽量で場所を取らない〈3〉保存が可能で、何度でも使用できる〈4〉淡水・海水のどちらでも利用可―など。
魚の生きたままの輸送などは48時間が限界とされているが、バイオフィルターを使うと、1、2カ月以上生存が可能。また、従来の浄化装置は大きいため、一度に輸送できる量が減ってしまうが、フィルターは場所を取らないため、輸送コストにも影響しないなどメリットは多い。熱帯魚の飼育にも効果があるという。
フィルターの研究は5月に着手。すでに特許を申請、近く本州の企業と実証実験に入る。価格は未定。門上さんは「さまざま分野で活用されれば」と話してる。
提供 - 函館新聞社
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