前田一歩園賞に宗像さん

update 2003/9/13 12:34

　函館植物研究会会長の宗像和彦さん（７０）＝函館市高丘町２＝が、道内の自然保護や環境保全などに業績のあった個人・団体を表彰する前田一歩園賞の本年度受賞者に選ばれた。表彰式は１０月２１日、釧路市で行われる。函館山を中心に道南の植物研究のほか、盗掘防止を訴えるなど、長年の活動が認められた宗像さんは「名誉あることで、今後の活動の励みにしたい」と喜びをかみしめている。

　宗像さんは１９３３年、函館市出身。自宅の畑で草取りをしたことが植物との出会いで、同研究会には発足間もない５４年に入会。道学芸大（現・道教育大）函館分校では、植物分類学者で「樺太植物誌」「函館山植物誌」を出版した故菅原繁蔵氏に師事。６１年に教諭となり、道南各地の小・中学校で勤務しながら、道南各地の山々で調査に励んできた。

　特に力を入れているのが、函館山の植物の分類や分布の調査。４０年ほど前から続け、「植物だけで６００種もあり、市街地に近く、これだけの種類がコンパクトにまとまっている、国内でも稀有（けう）な場所。まさに市民の財産」と絶讃する。

　また南北海道自然保護協会理事長、北海道自然保護協会理事なども務め、函館山をはじめ各地での盗掘防止も訴えている。

　宗像さんは「函館山の植物について、４５年前の菅原先生の函館山植物誌以降、整理された資料がない。現在の函館山について、これまでの自分の調査の結果を１冊にまとめ、残していけたら」と話している。（福士雅巳）

提供 - 函館新聞社

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